再度の執行猶予
再度の執行猶予付きの判決がありました。
執行猶予中に再び事件を起こしてしまった場合,その事件で再度の執行猶予がつかなければ,前の事件の執行猶予が取り消されてしまい,今回の事件と両方の期間,服役することになります。
た だ,再度の執行猶予が付くのは,懲役(禁錮)1年以下の言い渡がされる場合で,「情状に特に酌量すべきものがあるとき」(刑法25条2項)という厳しい要件があり,前回と同種事件だとほとんど再度の執行猶予は期待できません。今回の事件も前回と同種事案と見られても仕方のない事件でしたので,検察は実刑を求刑していました。
しかし,裁判官は常習性はなく犯情が重いとまではいえないことや家族が協力し再犯防止の体制が出来ていることなどの弁護側の主張を理解してくれ,再度の執行猶予にしてくれました。
これで被告人は取りあえず服役せず,もう一度,社会内でやり直すことができます。
あまり報われないことが多い刑事弁護ですが,やりがいを感じる瞬間です。